内定辞退相談

「家庭の事情」で内定辞退は辞退理由としてアリ?ナシ?企業側に失礼のない理由の伝え方【例文付き】

「家庭の事情」で内定を辞退すべきか悩んでいる方へ。この記事では、企業側に失礼のない伝え方や例文、よくある疑問をまとめました。円満に辞退し、今後のキャリアに影響が出ないように、正しい知識を身につけておきましょう。

本当に「家庭の事情」で辞退する必要がある?

内定承諾後、どうしても辞退しなければならない事情が出てくることは誰にでもあります。家庭の事情はその中でもデリケートな問題であり、企業側も理解を示してくれる場合が多いでしょう。しかし、本当に辞退以外の選択肢はないのか、もう一度だけ冷静に考えてみましょう。

他に解決策はないか、もう一度だけ検討しよう

「家庭の事情」と一言で言っても、その内容は様々です。例えば、

  • 親の介護が必要になった
  • 家族の看病をしなければいけなくなった
  • 配偶者の転勤が決まった
  • 自身の妊娠・出産

などが挙げられます。

これらの状況になった時、まずは冷静になって、他に解決策がないか検討してみましょう。

例えば、「親の介護が必要になった」場合、

  • 実家近くに住む兄弟姉妹に相談してみる
  • 介護サービスの利用を検討する
  • 企業側に事情を説明し、勤務時間短縮などの相談をする

などの方法が考えられます。

「家族の看病」や「配偶者の転勤」の場合も、状況に応じて家族で話し合い、可能な限り内定辞退以外の方法を探ってみましょう。

安易に内定辞退という結論を出す前に、まずは問題解決のためにできる限りのことを検討することが大切です。

それでも辞退するなら、早く伝えることが大切

様々な選択肢を検討した結果、どうしても内定を辞退せざるを得ない場合もあるでしょう。その場合は、できるだけ早く企業側に伝えることが大切です。

企業側は、採用者が決まれば、それに合わせて研修計画を立てたり、他の業務を調整したりしています。辞退の連絡が遅くなればなるほど、企業側に大きな迷惑をかけてしまうことになります。

内定辞退を決意したら、すぐに担当者に連絡しましょう。迅速な対応は、あなた自身の印象を守るだけでなく、企業側への配慮にも繋がります。

企業側に失礼のない「家庭の事情」の伝え方

内定辞退の理由が「家庭の事情」の場合、伝え方によって企業側に与える印象は大きく変わります。失礼のないように、そして自分の状況も理解してもらえるように、伝えるポイントを3つおさえましょう。

具体的な内容を伝えるべき?

「家庭の事情」と一言で言っても、その内容はさまざまです。どこまで具体的に伝えるべきか迷う方も多いのではないでしょうか。状況に応じて、伝えるべき内容と伝えなくても良い内容を整理しましょう。

伝える場合

  • 企業側が対応可能な範囲の内容である
    例えば、転居を伴う家族の介護が必要になった場合、企業によってはリモートワーク制度の利用や勤務地の変更など、柔軟に対応してくれる可能性があります。企業側が対応可能な範囲であれば、具体的に状況を伝えて相談してみましょう。ただし、企業側に過度な期待を抱かせるような伝え方は避け、あくまでも「相談」というスタンスを心がけましょう。

伝えない場合

  • プライバシー性の高い内容である
    例えば、家族の病気や金銭問題など、詳細を伝えることに抵抗がある場合は、無理に伝える必要はありません。「家庭の事情で、どうしても企業側のご期待に応えることが難しい状況になりました。」など、抽象的な表現にとどめておきましょう。
  • 企業側に誤解を与えかねない内容である
    例えば、家族の意見と自分の希望が合わないといった場合、企業側によっては「入社意欲が低い」と判断される可能性があります。このような場合は、具体的な内容を伏せて「一身上の都合」と伝える方が無難です。

いずれの場合も、嘘や曖昧な表現は避け、正直に伝えることが大切です。ただし、伝え方によっては誤解を招いたり、企業側に不快な思いをさせてしまう可能性もあるため注意が必要です。

誠実な言葉遣いを心がけよう

伝える内容だけでなく、言葉遣いも重要なポイントです。感謝の気持ちを忘れずに、誠実な言葉で伝えましょう。

良い例悪い例
この度は、このような素晴らしい機会をいただき、誠にありがとうございました。せっかく内定をいただいたのですが、辞退させていただきます。
大変恐縮ですが、一身上の都合により、内定を辞退させていただきたく存じます。やっぱり他にやりたいことが見つかったので、辞退します。
貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。今回は残念ですが、仕方ないと思っています。

上記はあくまで一例です。状況に応じて、自分の言葉で伝えるようにしましょう。

電話とメールどちらで伝えるべき?

基本的には、電話で直接伝えるのがマナーです。ただし、企業によってはメールでの連絡を推奨している場合もあるため、事前に確認しておきましょう。電話で伝える場合、担当者の不在時を避ける、要点をまとめて簡潔に話すなど、ビジネスマナーを守ることが大切です。メールで伝える場合は、件名に「内定辞退のお詫び」など、要件を明確に記載しましょう。また、誤送信を防ぐため、宛先アドレスは何度も確認することが重要です。

【例文付き】内定辞退の連絡の流れ

「家庭の事情」で内定を辞退する場合、企業側へ失礼なく、円滑に手続きを進めることが重要です。ここでは、内定辞退の連絡を、電話とメールを用いて行う場合の具体的な流れと例文をご紹介します。

担当者に電話で伝える

まずは、採用担当者に直接電話で辞退の旨を伝えます。電話をかける時間帯は、担当者が最も対応しやすい時間帯、一般的には業務開始直後や昼休み時間を避けた時間を意識しましょう。電話では、簡潔に要点を伝え、詳しい理由は後ほどメールで送ることを伝えましょう。

例文1. 電話で辞退を伝える

「もしもし、株式会社〇〇の採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。採用試験でお世話になりました、△△大学の□□と申します。」

(担当者が出たら)

「〇〇様、本日はお忙しい中、お電話をお繋ぎいただきありがとうございます。□□と申します。早速ですが、先日承諾いたしました貴社からの内定につきまして、大変恐縮ですが、辞退させていただきたくお電話いたしました。実は、家庭の事情により、誠に勝手ながら、貴社での勤務が難しい状況となってしまった次第でございます。大変申し訳ございません。詳しい理由につきましては、後ほど改めてメールにてお送りいたします。この度は、このようなご報告となり、誠に申し訳ございません。」

辞退理由を記したメールを送付する

電話で伝えた後、速やかに辞退理由を記したメールを送付します。メールでは、電話での内容を改めてお詫びし、具体的な辞退理由を記載します。ただし、企業側に詮索される可能性を考慮し、詳細すぎる情報は避けるようにしましょう。また、最後に感謝の気持ちを伝えることを忘れずに。

例文2. 辞退理由を記載したメール

件名:内定辞退のお詫び(△△大学 □□)

株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様

お世話になっております。△△大学の□□と申します。

先ほどはお電話にて、大変失礼いたしました。改めて、この度貴社より賜りました内定につきまして、辞退させていただきたく、ご連絡申し上げます。

本来であれば、貴社にご貢献できるよう精一杯努力する決意でしたが、家族の介護が必要となり、誠に勝手ながら、貴社での勤務が難しい状況となってしまいました。このようなご報告となり、採用担当者様をはじめ、選考にご尽力いただいた皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。

短い間ではございましたが、選考を通して、貴社の魅力や事業内容について、大変興味深く拝聴いたしました。今後の貴社の益々のご発展を、心よりお祈り申し上げます。

敬具

△△大学 □□学部 □□学科
□□ □□

書類で提出する場合

企業によっては、内定辞退を申し出る際に、所定の書類を提出するよう指示がある場合があります。企業の指示に従い、必要事項を記入し、郵送で提出しましょう。企業から指定された方法以外で提出することは避け、不明点があれば、電話やメールで問い合わせることが大切です。

これらの手順と例文を参考に、誠意をもって対応することで、円満に内定を辞退できるよう努めましょう。

よくある質問

Q. 辞退の連絡はいつまでにすればいい?

内定辞退の連絡は、内定承諾書を提出する前であれば、いつ行っても問題ありません。ただし、企業側も採用活動を進めているため、内定後できるだけ早く辞退の意思を伝えることが大切です。

企業によっては、内定承諾書の提出期限が設定されている場合があります。期限が迫っている場合は、電話で先に辞退の旨を伝え、その後、改めて書面で提出すると良いでしょう。

Q. 嘘の理由を伝えても大丈夫?

嘘の理由で内定を辞退することは、おすすめできません

後々、嘘がバレてしまう可能性もありますし、企業側に迷惑をかけることになる場合もあります。また、嘘の理由を伝えることは、自分自身の印象を悪くしてしまうことにもなりかねません。

内定辞退は、誠意をもって、正直な理由を伝えるようにしましょう。

Q. 辞退後、同じ企業に応募できる?

内定を辞退した後、同じ企業に再応募できるかどうかは、企業や状況によって異なります

一般的には、一度辞退したからといって、再応募ができないわけではありません。ただし、企業によっては、一定期間を空ける必要がある場合や、再応募を受け付けていない場合もあるため、注意が必要です。

もし、再応募を検討している場合は、企業の採用情報を確認するか、採用担当者に問い合わせてみると良いでしょう。

特に、辞退理由が企業側にとってネガティブな印象を与えるものであった場合(企業風土が合わないと感じた、待遇面で折り合いがつかなかったなど)は、再応募が難しい可能性があります。

一方で、家庭の事情や自身のキャリアプランなど、やむを得ない事情で辞退した場合は、再応募が受け入れられる可能性もあります。

いずれにしても、再応募する場合は、前回の辞退理由を踏まえて、なぜ再応募するに至ったのかを明確に伝えることが重要です。

まとめ

内定辞退は人生の大きな決断です。家庭の事情で辞退せざるを得ない場合は、企業側に失礼な印象を与えないよう、誠意をもって対応することが大切です。この記事を参考に、円満な辞退手続きを進めましょう。

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