内定辞退相談

もう悩まない!転職活動で複数社に合格した場合のスマートな断り方

「せっかく複数社から内定をもらったのに、断り方が分からなくて困る…」そんな悩みをお持ちのあなたへ。本記事では、企業別に内定辞退の連絡時期や伝え方、円満に断るための電話やメール例文までご紹介します。この記事を読めば、失礼なくスマートに内定を辞退できます。

内定辞退の連絡はいつまでにすればいい?

企業側の負担を考慮して、できるだけ早く連絡を

内定辞退は、企業側にとっても採用活動のスケジュール調整や、場合によっては他の候補者への連絡など、多くの手間と時間を要する作業が発生します。そのため、内定辞退を決断したら、できるだけ早く連絡することが大切です。企業の採用活動の進捗状況によっては、入社予定日まで時間的な余裕がある場合でも、早めに連絡を入れるようにしましょう。

特に、内定承諾後、入社前に辞退する場合は、企業側に与える影響が大きいため、誠意をもって迅速に連絡する必要があります。企業側も、できる限り早く次の対応を取れるように、という配慮が必要です。

具体的な連絡のタイミング

では、具体的にいつまでに連絡すれば良いのでしょうか? 状況別に適切な対応をまとめました。

状況適切な連絡時期
内定通知後、すぐに辞退する場合24時間以内に電話で連絡し、その後、お詫び状をメールで送付するのが望ましいです。
内定承諾後、入社前に辞退する場合遅くとも入社日の2週間前までには連絡しましょう。企業によっては、入社に関する手続きや準備を進めている場合があり、直前の辞退は大きな損害を与える可能性があります。

上記はあくまで一般的な目安であり、企業や状況によっては異なる場合があります。例えば、企業側から「〇日までに返事をお願いします」と指定されている場合は、その期限内に連絡する必要があります。

迅速な連絡がもたらすメリット

  • 企業側の負担軽減 企業は、辞退の連絡を受け次第、他の候補者への連絡や採用活動のスケジュール調整など、迅速に対応する必要があります。迅速な連絡は、企業側の負担を軽減することに繋がります。
  • 企業との良好な関係維持 誠意ある対応は、企業側に好印象を与え、円満な形で転職活動を終えることができます。将来的に、別の形で関わる可能性も考慮すると、良好な関係を維持しておくことは重要です。
  • 自身のビジネスパーソンとしての評価向上 迅速かつ丁寧な対応は、あなたのビジネスパーソンとしての評価を高めることにも繋がります。社会人としての常識とマナーを守り、誠実な対応を心がけましょう。

複数社から内定をもらったら、どうやって選べばいい?

複数企業から内定を得られた場合、どの企業に就職するか迷ってしまうのは当然のことです。せっかくの機会ですから、後悔のない選択をするために、様々な角度から企業を比較検討してみましょう。ここでは、企業選びの際に考慮すべき重要なポイントを紹介します。

将来性を重視する

企業を選ぶ上で、将来性は最も重要な要素の一つと言えるでしょう。安定した経営基盤を持つ企業を選ぶことは、長期的なキャリア形成を考えた上で非常に大切です。企業の将来性を評価する際には、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 業界全体の動向:
    その企業が属する業界は、今後成長が見込めるのか、それとも衰退傾向にあるのか。市場規模や競争環境、技術革新のスピードなどを考慮して判断しましょう。例えば、AIや再生可能エネルギー関連の業界は、将来的な成長が期待されています。
  • 企業の成長戦略:
    企業はどのようなビジョンを持ち、どのように成長しようとしているのか。新規事業展開や海外進出など、具体的な計画があるかどうかも重要な判断材料になります。例えば、積極的にM&Aを行っている企業は、新たな市場や技術を獲得することで更なる成長を目指している可能性があります。
  • 財務状況:
    企業の安定性を判断する上で、財務状況は欠かせない要素です。売上高や利益率、自己資本比率などの指標をチェックし、健全な経営状態であるかを確認しましょう。IR情報や企業分析レポートなどを参考にすると良いでしょう。

企業文化や風土との相性を考える

企業文化や風土は、社員の働き方や価値観に大きな影響を与えます。自分自身の性格や価値観と合致している企業を選ぶことで、より高いモチベーションを持って働くことができます。企業文化や風土を理解するために、以下の方法を試してみましょう。

  • 企業理念や行動指針をチェックする:
    企業のウェブサイトや会社案内などに記載されている企業理念や行動指針は、その企業が大切にしている価値観や行動規範を示しています。内容に共感できるかどうか、自分自身の価値観と照合させてみましょう。
  • 社員インタビューやブログを読む:
    企業のウェブサイトや採用サイトなどで公開されている社員インタビューやブログからは、実際に働いている社員の生の声を聞くことができます。職場の雰囲気や働き方、社内イベントなど、具体的なイメージを掴むようにしましょう。
  • 会社説明会や面接で質問する:
    会社説明会や面接は、企業の雰囲気を肌で感じ、疑問点を直接質問できる貴重な機会です。社風や働き方について積極的に質問し、自分自身がその環境で気持ちよく働けるかどうか見極めましょう。例えば、「社員同士のコミュニケーションは活発ですか?」「どのような人が活躍されていますか?」といった質問をすることで、より具体的な情報を得ることができます。

労働条件を比較する

給与や待遇などの労働条件は、日々の生活に直結する重要な要素です。各社の労働条件を比較し、自分の希望に合致しているかどうかを確認しましょう。待遇面だけで判断するのではなく、仕事内容や将来性とのバランスを考えることが大切です。

比較検討すべき項目を以下の表にまとめました。

項目詳細確認ポイント
給与基本給、賞与、昇給など年収だけでなく、給与体系や昇給頻度なども確認しましょう。
勤務時間始業・終業時間、フレックスタイム制の有無など残業時間や休日出勤の可能性についても確認しておきましょう。
休日休暇年間休日数、有給休暇の取得率などワークライフバランスを重視する場合は、休日休暇の取得状況も重要な要素となります。
福利厚生社会保険、住宅手当、通勤手当、退職金制度など企業によって充実している福利厚生は異なるため、自分のニーズに合ったものを選びましょう。
教育制度新入社員研修、資格取得支援制度、社内勉強会などスキルアップやキャリアアップを目指せる環境かどうかを確認しましょう。

これらの要素を総合的に判断し、自分にとって最も魅力的な企業を選びましょう。焦らずじっくりと検討することが、納得のいく転職活動につながります。

円満に断るための電話での伝え方

内定を辞退する際、電話は直接お相手に気持ちを伝えられる効果的な手段です。企業側も電話での連絡を希望する場合があります。しかし、伝え方を間違えると、相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあるため注意が必要です。ここでは、電話で内定を辞退する際のポイントをステップごとにご紹介します。

電話をかける前に伝える内容を整理する

電話をかける前に、以下の項目をメモしておきましょう。スムーズかつ簡潔に伝えるために、事前に整理しておくことが重要です。

  • お礼の言葉
  • 辞退する旨
  • 辞退理由
  • お詫びの言葉

感謝の気持ちを伝える

まずは、採用担当者へのお礼の言葉を述べましょう。選考に時間を割いていただいたこと、内定をいただいたことへの感謝の気持ちを伝えます。

例:「この度は、貴社選考のお時間をいただき、誠にありがとうございました。また、大変ありがたいことに内定をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。」

お詫びの言葉を伝える

感謝の気持ちを伝えた後、内定を辞退する旨を伝え、お詫びの言葉を添えましょう。この際、誠意を込めて伝えることが大切です。

例:「大変恐縮ですが、この度、貴社からの内定につきましては、辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。せっかく内定をいただいたにもかかわらず、このようなご報告となり、大変申し訳ございません。」

辞退理由を簡潔に伝える

辞退理由は、企業側の心象を損ねない範囲で、正直に簡潔に伝えましょう。他の企業から内定を得た場合でも、企業名や待遇面を具体的に伝える必要はありません。あくまでも、自身のキャリアプランや希望と、今回の企業の仕事内容との間に相違があったことを伝えるようにしましょう。

例:「熟慮を重ねた結果、現時点では、自身のキャリアプランとの兼ね合いで、大変恐縮ですが、今回は見送らせていただくという結論に至りました。」

辞退理由の例伝え方
他社から内定を得た「先日、以前より志望しておりました企業から内定をいただき、そちらでチャレンジさせていただくことになりました。」
仕事内容が希望と違った「ご説明いただいた仕事内容を改めて検討した結果、現時点では、自身のキャリアプランとは異なる方向性であると判断いたしました。」
企業文化が合わないと感じた「貴社の社風や価値観について、改めて検討させていただいた結果、現時点では、自身の目指す方向性とは異なる部分があると判断いたしました。」

最後に改めて感謝の気持ちを伝える

最後に、改めて感謝の気持ちを伝えて電話を切りましょう。今後の企業の発展を祈る言葉も添えると、より丁寧な印象を与えます。

例:「重ねてになりますが、この度は、選考の機会をいただき、誠にありがとうございました。貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。」

電話で内定を辞退することは、緊張する場面ではありますが、誠意を持って対応することが大切です。上記を参考に、円満に辞退を進められるようにしましょう。

失礼のない丁寧なメールの書き方

内定辞退の連絡は、電話だけでなくメールでも伝えることができます。電話と同様に、失礼のない丁寧な文面を心がけましょう。ここでは、円満に内定を辞退するためのメール作成のポイントを紹介します。

件名は具体的に、本文は結論から

忙しい採用担当者が、メールを開封してすぐに内容を把握できるよう、件名と本文は工夫が必要です。件名は具体的に、本文は結論から述べるようにしましょう。

項目例文
件名【株式会社〇〇】〇〇(ポジション名)内定辞退のお知らせ
本文の書き出し株式会社〇〇の〇〇(ポジション名)内定につきまして、大変光栄ではございますが、この度辞退させていただきたくご連絡いたしました。

感謝の気持ちを伝える

選考の機会をいただいたり、内定をいただけたことへの感謝の気持ちを伝えます。感謝の気持ちは、具体的に述べることでより誠意が伝わります。

  • 例文
    • 貴社は、私が面接で〇〇とお話したことを実現できる、大変魅力的な企業様です。選考を通じて、〇〇について深く理解することができ、大変感謝しております。
    • 選考では、〇〇様をはじめ、採用担当の皆様には大変親切にしていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

お詫びの言葉を伝える

内定を辞退することで、採用担当者や企業に迷惑をかけてしまうことを謝罪します。お詫びの言葉は、簡潔に、かつ誠意を持って伝えましょう。

  • 例文
    • このようなご報告となり、大変恐縮ではございますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。
    • 貴社のご期待に沿えず、誠に申し訳ございません。

辞退理由を簡潔に伝える

辞退理由は、企業側の心象を損ねない範囲で、正直に、かつ簡潔に伝えましょう。嘘や曖昧な表現は、後々トラブルになる可能性もあるため避けましょう。具体的な企業名などは記載せず、抽象的な表現にとどめるのがベターです。

  • 例文
    • 熟慮を重ねた結果、今回は他社で勤務することとなりましたため、貴社の内定を辞退させていただきます。
    • 誠に恐縮ではございますが、現在のキャリアプランを見直した結果、貴社で働くことが難しいと判断いたしました。

最後に改めて感謝の気持ちを伝える

結びにもう一度、感謝の気持ちを伝えます。今後の企業の発展を祈る言葉を添えるのも良いでしょう。

  • 例文
    • 末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
    • 最後になりましたが、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

よくある質問

Q. 辞退理由を正直に伝えるべき?

A. 企業側の心象を損ねない範囲で、正直に伝えるようにしましょう。

正直に伝えることで、企業側も状況を理解し、納得してくれる可能性が高まります。ただし、企業側の心象を損ねる可能性がある場合は、オブラートに包むなど、伝え方に注意が必要です。

例えば、待遇面でより良い条件の企業から内定を得た場合、「待遇面でより魅力を感じた企業から内定をいただいたため」と伝えるのは避け、「キャリアプランを考えた結果、今回は見送らせていただくことになりました」といったように、角が立たない表現を心がけましょう。具体的な辞退理由を伝える場合は、企業の批判になるような表現は避け、あくまで自身のキャリアプランや状況に基づいた理由であることを明確に伝えましょう。

Q. 複数の企業に断りの連絡をする場合、テンプレートで対応してもいい?

A. 一社ずつ丁寧に作成しましょう。

たとえ同じような内容であっても、企業への感謝の気持ちは、一社ずつ丁寧に伝えることが大切です。テンプレートを使用すると、事務的な印象を与え、企業に対して失礼な印象を与えてしまう可能性があります。

各企業の選考内容や担当者の印象に残っている点などを盛り込むと、より気持ちが伝わる丁寧な断り方ができます。例えば、面接で印象的だった出来事や、企業の理念に共感した点などを具体的に示すことで、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。また、企業分析で得られた情報や、面接でのやり取りを踏まえて、企業の今後の発展を願う言葉などを添えることも効果的です。

Q. 電話で断ると失礼にあたる?

A. 企業によって対応が異なるため、採用担当者に確認しましょう。

一般的に、内定承諾や辞退の連絡は電話で行うのがマナーとされています。しかし、企業によってはメールでの連絡を推奨している場合もあるため、事前に確認することが重要です。企業の採用ページや、面接時に受け取った資料などに記載がある場合があるので、確認してみましょう。記載がない場合は、電話やメールで問い合わせてみましょう。

Q. 辞退の連絡は、いつまでにすればいい?

A. 内定通知書に記載されている期日までに連絡しましょう。

内定通知書に期日が記載されている場合は、その期日までに連絡するのが基本です。しかし、どうしても期日までに連絡が難しい場合は、早めに企業に連絡し、事情を説明しましょう。その際、誠意をもって対応することが大切です。

Q. 入社承諾書を提出した後でも、辞退することは可能?

A. 可能な場合と不可能な場合があるため、状況に応じて対応する必要があります。

状況対応
試用期間中多くの場合、試用期間中は労働契約の解除が認められています。しかし、企業によっては試用期間中の解約に関する規定が設けられている場合もあるため、就業規則や雇用契約書を確認する必要があります。 また、退職の意思表示は口頭ではなく、書面で行うことが重要です。退職届を提出することで、トラブルを避けることができます。
試用期間終了後民法では、期間の定めのない雇用契約の場合、2週間前に退職の意思表示をすれば退職することができます(民法第627条第1項)。ただし、就業規則や雇用契約書で、これよりも長い期間を定めている場合は、その期間に従う必要があります。また、会社に損害を与えるような退職となる場合は、損害賠償を請求される可能性もあります。

入社承諾書を提出した後でも、正当な理由があれば辞退することは可能です。ただし、企業側に損害を与える可能性もあるため、誠意をもって対応することが重要です。まずは、企業に相談し、状況を説明しましょう。その上で、円満に解決できるよう、双方が納得できる方法を探していく必要があります。

まとめ

複数の企業から内定を得た場合、誠意をもって断ることは大切です。企業側の負担を考慮し、スピーディーに、かつ丁寧に辞退の連絡を行いましょう。電話とメールどちらの場合も、感謝の気持ちを忘れずに伝えることが重要です。

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