「内定辞退の連絡、LINEで済ませちゃってもいいのかな…」と悩んでいませんか?この記事では、内定辞退にLINEを使うべきか、使うならどんな点に注意すべきかを解説。さらに、失礼のないLINE例文もご紹介します。この記事を読めば、ビジネスマナーに沿って、円滑に内定辞退を進めることができます。
内定辞退にLINEはあり?なし?状況別に解説
就活を勝ち抜き、希望の企業から内定を得られたものの、どうしても他の企業で働くことを選択しなければならない場合もあるでしょう。そんな時、頭を悩ませるのが内定辞退の連絡方法です。近年では、友人との連絡手段としてLINEを使うことが当たり前になっているため、「内定辞退の連絡もLINEで済ませてしまって良いのだろうか?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、ビジネスマナーの観点から考えると、内定辞退の連絡にLINEを用いるのは基本的にNGです。内定辞退は、あなたの社会人としての第一歩を左右する非常に重要なものです。失礼な印象を与えてしまう可能性があるLINEでの連絡ではなく、より丁寧な印象を与えることができる電話やメールなどの方法で連絡するのが適切です。
基本的にLINEでの内定辞退はNG
内定辞退は、企業側にとって採用計画の見直しや追加募集などの対応が必要となる、決して軽い内容ではありません。そのため、LINEでの連絡では誠意が伝わりづらいと判断され、企業側に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。たとえ普段から企業の人事担当者とLINEで連絡を取り合っていたとしても、内定辞退という重要な連絡事項に関しては、LINE以外の連絡手段を用いるのがマナーです。
連絡手段 | メリット | デメリット |
---|---|---|
LINE | 手軽に連絡できる | 失礼な印象を与えやすい ビジネスにふさわしくない 誠意が伝わりにくい |
電話 | 直接話せるため、誠意が伝わりやすい 相手の状況を把握できる その場で質問に答えられる | 電話する時間を確保する必要がある 緊張しやすい |
メール | 自分のペースで丁寧に文章を作成できる 記録が残る | 相手の状況を把握できない 返信に時間がかかる場合がある |
やむを得ずLINEで連絡する場合の注意点
上記のように、基本的にLINEで内定辞退を伝えるのはNGですが、どうしてもやむを得ない事情がある場合もあるかもしれません。例えば、
- 企業側からLINEでの連絡を求められている場合
- 急を要する事情があり、すぐに連絡がつかない場合
などが挙げられます。このような場合でも、失礼のないように、以下の点に注意して連絡しましょう。
1. 電話で伝えるのが難しいことを伝える
まずはじめに、電話ではなくLINEで連絡をする理由を伝えましょう。企業側も、なぜLINEで連絡が来たのか疑問に思う可能性があります。電話で伝えるのが難しい理由を簡潔に伝えることで、企業側への配慮を示すことができます。
2. お詫びの気持ちを伝える
次に、内定を辞退することへのお詫びの気持ちを伝えましょう。企業側にとっては、採用活動に時間や費用を費やしているため、内定辞退は少なからず負担をかけてしまう行為です。そのため、お詫びの気持ちを伝えることは非常に重要です。
3. 辞退理由を簡潔に伝える
お詫びの気持ちを伝えた後は、内定を辞退する理由を簡潔に伝えましょう。この際、嘘や曖昧な表現は避け、正直な気持ちを伝えることが大切です。ただし、企業側を不快にさせてしまう可能性のあるネガティブな表現は避け、あくまでもポジティブな言葉で伝えるように心がけましょう。
4. 入社前にできる限りの対応をする旨を伝える
内定辞退によって企業側に迷惑をかけてしまうことを謝罪し、入社前にできる限りの対応をする旨を伝えましょう。例えば、すでに提出している書類の返却や、企業側が用意してくれた交通費の返金などについて、誠実に対応することが大切です。
5. 感謝の気持ちを伝える
最後に、感謝の気持ちを伝えましょう。選考過程で企業側の担当者が親身になって対応してくれた場合は、そのことに対する感謝の気持ちを具体的に伝えるようにしましょう。感謝の気持ちを伝えることで、企業側に好印象を与えることができます。
6. 最後に「お電話にて失礼いたします」の一言を添える
LINEで内定辞退の連絡をする場合でも、最後に「お電話にて失礼いたします」の一言を添えることで、より丁寧な印象を与えることができます。この一言があることで、LINEでの連絡が完了した後も、電話で改めて謝罪をする意思があることを伝えることができます。
失礼のない内定辞退LINEの送り方
内定辞退の連絡は電話が基本ですが、どうしてもLINEで連絡しなければならない場合もあるでしょう。失礼のないLINEの送り方を押さえておきましょう。
電話で伝えるのが難しいことを伝える
まずは、なぜLINEで連絡するのかを伝えましょう。電話が繋がらない、海外にいて電話ができないなど、やむを得ない事情を簡潔に説明することが大切です。
- 「お電話が繋がらず、ご連絡が遅くなってしまい申し訳ございません。」
- 「現在海外におり、電話でのご連絡が難しいため、LINEにて失礼いたします。」
お詫びの気持ちを伝える
内定辞退は企業にとって迷惑をかける行為です。お詫びの気持ちをしっかり伝えましょう。謝罪の言葉は具体的に、重ねて伝えることが重要です。
- 「この度は、貴社からの内定を承諾したにも関わらず、このようなご報告となり、大変申し訳ございません。」
- 「貴重な機会を頂戴しましたにも関わらず、このようなご決断となり、誠に申し訳ございません。」
辞退理由を簡潔に伝える
辞退理由は、相手を不快にさせないよう、簡潔に伝えましょう。嘘や言い訳は避け、正直に伝えることが大切です。ただし、企業の選考や待遇に関するネガティブな内容は含めないように注意しましょう。
辞退理由 | 伝え方例 |
---|---|
他社の内定承諾 | 「熟慮した結果、自身のキャリアプランに合致する、別企業から内定をいただき、そちらで承諾いたしました。」 |
家庭の事情 | 「一身上の都合により、貴社に入社することが難しくなりました。」 |
入社前にできる限りの対応をする旨を伝える
企業側の負担を少しでも減らすために、入社前にできることがあれば対応する旨を伝えましょう。ただし、具体的な提案は避け、「何かございましたら」と伝える程度に留めておくのが適切です。
- 「何か私にできることがございましたら、お申し付けください。」
- 「できる限りの対応をさせていただきます。」
感謝の気持ちを伝える
選考してくれたことへの感謝の気持ちを伝えます。感謝の気持ちは具体的に伝えることが大切です。選考過程で印象に残っている出来事や、企業の良いところなどを具体的に盛り込むと、より気持ちが伝わるでしょう。
- 「選考の際はお忙しい中、丁寧にご対応いただき、誠にありがとうございました。特に、〇〇様との面接は、私のキャリアプランについて深く考える貴重な機会となりました。」
- 「貴社の理念である〇〇には大変共感しており、選考を通じて、より一層、貴社への志望を高めることができました。このような貴重な経験をさせていただき、心より感謝申し上げます。」
最後に「お電話にて失礼いたします」の一言を添える
最後に、改めて電話で連絡ができなかったことを詫び、「お電話にて失礼いたします」と一言添えましょう。これは、LINEでの連絡が完了したことを示すマナーです。
- 「重ねてになりますが、お電話にてご連絡ができず、大変申し訳ございませんでした。お電話にて失礼いたします。」
内定辞退LINE例文集
※いずれの例文も、必ずお電話で伝えることが前提です。あくまでも、お電話が難しい場合の例文としてご参考ください。
例文1:承諾後、すぐに辞退する場合
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ですが、承諾のご連絡を差し上げた後、自分のキャリアプランについて改めて検討した結果、貴社に入社させて頂くことが難しいという結論に至りました。
このようなご報告となり、大変申し訳ございません。
本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、
まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。
株式会社△△
□□ □□
例文2:承諾後、数日経過してから辞退する場合
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ではございますが、一身上の都合により、貴社への入社を辞退させて頂きたく、ご連絡いたしました。
承諾のご連絡を差し上げてから、このようなご報告となり、
大変申し訳ございません。
本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、
まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。
株式会社△△
□□ □□
例文3:他社から内定を得て辞退する場合
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変心苦しいのですが、この度、かねてより志望しておりました他社から内定をいただき、
そちらで勤務させて頂くこととなりました。
そのため、誠に恐縮ではございますが、
貴社への入社は辞退させて頂きたく、ご連絡いたしました。
承諾のご連絡を差し上げてから、このようなご報告となり、
大変申し訳ございません。
本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、
まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。
株式会社△△
□□ □□
例文4:入社前に病気や怪我をしてしまった場合
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変お伝えしにくいことなのですが、先日、〇〇の怪我を負ってしまい、
医師からは、しばらくの間、治療に専念するよう指示を受けました。
そのため、当初予定していた入社日に入社することが難しくなり、
誠に恐縮ではございますが、
貴社への入社は辞退させて頂きたく、ご連絡いたしました。
このようなご報告となり、大変申し訳ございません。
本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、
まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。
株式会社△△
□□ □□
例文5:家族の転勤や介護で入社が難しくなった場合
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変お伝えしにくいことなのですが、この度、家族の〇〇に伴い、
私自身も、〇〇へ移住することとなりました。
そのため、当初予定していた入社日に入社することが難しくなり、
誠に恐縮ではございますが、
貴社への入社は辞退させて頂きたく、ご連絡いたしました。
このようなご報告となり、大変申し訳ございません。
本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、
まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。
株式会社△△
□□ □□
例文6:企業研究が足りず、入社に不安を感じた場合
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変申し訳ないのですが、
改めて自分自身について考えを深めた結果、
現時点では、貴社で貢献できるだけのスキルや経験が不足していると感じております。
そのため、誠に恐縮ではございますが、
貴社への入社は辞退させて頂きたく、ご連絡いたしました。
承諾のご連絡を差し上げてから、このようなご報告となり、
大変申し訳ございません。
本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、
まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。
株式会社△△
□□ □□
例文7:選考中に他社の選考が進んでいた場合
パターン | 例文 |
---|---|
他社の選考状況を伝えていた場合 | 株式会社〇〇 人事部 〇〇様 いつも大変お世話になっております。 先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。 お伝えしておりました通り、現在、並行して選考を受けている企業があり、 大変心苦しいのですが、この度、そちらの企業様への入社を決意いたしました。 そのため、誠に恐縮ではございますが、 貴社への入社は辞退させて頂きたく、ご連絡いたしました。 承諾のご連絡を差し上げてから、このようなご報告となり、 大変申し訳ございません。 本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、 まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。 お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。 株式会社△△ □□ □□ |
他社の選考状況を伝えていなかった場合 | 株式会社〇〇 人事部 〇〇様 いつも大変お世話になっております。 先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。 大変心苦しいのですが、 並行して選考を受けておりました企業があり、 この度、そちらの企業様への入社を決意いたしました。 そのため、誠に恐縮ではございますが、 貴社への入社は辞退させて頂きたく、ご連絡いたしました。 承諾のご連絡を差し上げてから、このようなご報告となり、 大変申し訳ございません。 本来であれば、お電話にてご連絡を差し上げるべきところ、 まずはLINEにてご連絡を差し上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。 お時間のある時に、改めてお電話にてご連絡を差し上げたく存じます。 株式会社△△ □□ □□ |
内定辞退は電話で伝えるのがベスト
これまで、LINEで内定辞退を伝える際の注意点や例文を紹介してきましたが、やはり内定辞退は電話で直接伝えるのがマナーとして最も適切です。
電話は、直接相手の顔が見えないからこそ、あなたの誠実な気持ちを伝えることができるツールになります。
電話で内定辞退を伝えるメリット
- 声のトーンや言葉遣いで、直接気持ちを伝えられる
- 相手の反応を伺いながら、その場で疑問を解消したり、誤解を防いだりできる
- 企業側も、あなたの意思を直接確認することで、円満に選考を次に進めることができる
電話で内定辞退を伝える際のポイント
1. 連絡する時間帯
- 基本的には、企業の営業時間内に連絡しましょう。特に、始業直後や終業間際は避けるのがベターです。
- もし、営業時間内に連絡が難しい場合は、担当者に事前にメールなどで連絡を取り、電話可能な時間帯を確認しておきましょう。
2. 電話口での対応
- 最初に、自分の名前と用件を伝えましょう。「〇〇大学〇〇です。先日、貴社より内定のご連絡をいただきました件でご連絡いたしました。」のように、簡潔に伝えましょう。
- 内定辞退の旨を伝える際は、お詫びの言葉を添え、簡潔に理由を伝えましょう。この時、企業の悪口やネガティブな表現は避け、あくまでも自分の状況や気持ちを伝えるように心がけましょう。
- もし、何か質問をされた場合は、落ち着いて誠実に答えましょう。企業側も、あなたのことをより深く理解しようと質問している場合があるので、真摯に対応することが大切です。
- 最後に、改めてお礼と謝罪の言葉を伝えて電話を切りましょう。「このような形になってしまい大変申し訳ございませんでした。貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。」といった言葉で締めくくると良いでしょう。
電話で伝えることに不安を感じたら
「電話で話すことに自信がない」「緊張してしまってうまく話せるか不安」という方もいるかもしれません。そんな時は、以下の方法を試してみましょう。
1. 事前に話す内容をメモしておく
伝えたいことを箇条書きにしたり、例文を参考にしたりして、事前に話す内容をまとめておきましょう。メモを見ながら話しても問題ありません。ただし、棒読みにならないように、自然な言葉遣いを心がけましょう。
2. 家族や友人に練習相手になってもらう
実際に電話で話すように、家族や友人に練習相手になってもらいましょう。客観的な意見をもらうことで、よりスムーズな電話対応ができるようになるはずです。
3. キャリアセンターなどに相談する
大学などのキャリアセンターでは、電話対応の練習やアドバイスを受けることができます。就職活動の専門家に相談することで、不安を解消できるでしょう。
内定辞退は、社会人としての第一歩を踏み出す上で、非常にデリケートな問題です。LINEなどの手軽なツールに頼らず、電話で直接伝えることで、あなたの誠意が伝わり、企業側との良好な関係を築ける可能性が高まります。勇気を出して、電話で伝えてみましょう。
まとめ
内定辞退は、たとえ親しい間柄であってもLINEではなく、電話で直接伝えるのがマナーです。やむを得ずLINEで連絡する場合は、簡潔にお詫びと感謝、辞退理由を伝えた上で、必ず電話で改めてお詫びをする旨を伝えましょう。誠意ある対応を心がけましょう。