企業別も!内定辞退の取り消し事例集|成功・失敗パターンから学ぶ

「内定辞退、やっぱり取り消したい…」そんな悩みをお持ちのあなたへ。
企業側の対応や法的な側面、そして気になる成功率は?
この記事では、内定辞退の取り消しができるのか、成功・失敗事例を交えながら解説。

後悔しないための注意点もまとめたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
内定辞退の取り消しは可能?

内定辞退を申し出た後、やっぱり辞退を取り消したいと考えるケースもあるかもしれません。
結論から言うと、内定辞退の取り消しは場合によっては可能です。
しかし、一度辞退した内定を必ずしも取り消せるわけではないということを理解しておく必要があります。

ここでは、企業側の対応、法的な側面、成功率の観点から、内定辞退の取り消しの可能性について詳しく解説します。
企業側の対応
内定辞退を取り消せるかどうかは、企業側の対応に大きく左右されます。
企業によって、内定辞退後の対応は異なり、以下の3つのパターンが考えられます。
- 内定辞退の取り消しを受け入れる企業
- 条件付きで内定辞退の取り消しを受け入れる企業
- 内定辞退の取り消しを受け入れない企業
企業は、優秀な人材を確保するために、内定辞退を取り消したいという学生の意向を柔軟に対応してくれる場合があります。
一方で、企業によっては、一度辞退した学生に対して不信感を抱き、内定辞退の取り消しを受け入れてくれないケースもあります。

内定辞退を取り消したい場合は、まずは企業に相談し、状況を説明することが重要です。
法的な側面
法的に見ると、内定は企業と学生の間で結ばれる労働契約の予約にあたります。
内定辞退は、民法上、「将来に向けた契約の解除」と解釈され、原則として自由に行使できるとされています。
一度内定を辞退した場合でも、企業側が承諾すれば、内定辞退の効力がなくなり、内定が復活する可能性があります。

内定辞退を取り消せるかどうかは、企業側の判断に委ねられる部分が大きいと言えるでしょう。
成功率
内定辞退の取り消しの成功率は、企業側の事情や学生側の事情、辞退理由や時期、企業との関係性など、様々な要因によって大きく変動します。
例えば、人手不足の業界や企業であれば、内定辞退の取り消しを受け入れてくれる可能性が高くなります。
また、やむを得ない事情で内定を辞退せざるを得なかった場合や、内定辞退を申し出してから日が浅い場合は、企業側の理解を得やすいでしょう。

逆に、企業側に迷惑をかける可能性が高い場合や、内定辞退を申し出してから時間が経過している場合は、内定辞退の取り消しを受け入れてもらえない可能性が高くなります。
内定辞退を取り消す手順

一度辞退した内定を、やっぱり取り消したいと考えることもあるかもしれません。
企業側の事情や採用状況によって、必ずしも希望通りに進むとは限りませんが、誠意をもって行動することが重要です。
具体的な手順とポイントを紹介します。
企業に連絡する
まずは、なるべく早く企業に連絡を取りましょう。
電話、メールどちらの方法でも構いませんが、直接謝罪の気持ちを伝えられる電話の方がより誠意が伝わるでしょう。
ただし、企業によっては電話での連絡を控えるよう指示されている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
連絡手段 | メリット | デメリット |
---|---|---|
電話 | 直接話せるため、誠意が伝わりやすい。疑問点をその場で解消できる。 | 時間帯や担当者の状況に配慮が必要。履歴が残らないため、重要なやり取りは後ほど書面で送る必要がある場合もある。 |
メール | 時間や場所を問わず連絡できる。履歴が残るため、言った言わないを防げる。 | 感情が伝わりにくく、冷たい印象を与えてしまう可能性がある。返信に時間がかかる場合がある。 |
電話の場合に気をつけること
- 担当者の名前を伝える
- 要件を簡潔に伝える
メールの場合に気をつけること
- 件名は具体的に
- 誤字脱字に注意
謝罪の気持ちを伝える
内定辞退を撤回し、企業側に迷惑をかけてしまったことを謝罪しましょう。
その際には、ただ「申し訳ありませんでした」と伝えるのではなく、なぜ申し訳ない気持ちになったのか、具体的な理由を添えることが重要です。
例えば、「貴社のご期待に沿えず、大変申し訳ございませんでした。」と伝えるよりも、「貴社のような素晴らしい会社で働くことを諦めきれず、このようなお願いをすることになってしまい、大変申し訳ございません。」と伝える方が、より誠意が伝わります。
辞退理由を説明する
なぜ内定を辞退したのか、正直に伝えましょう。
ただし、企業の悪口や待遇面への不満などは避け、あくまで自分の状況や考え方の変化を伝えるように心がけましょう。
例えば、他に内定をもらっていた場合は、「他に志望度の高い企業から内定を頂いていたため、大変迷った結果、辞退という形をとらせていただきました。」と伝えることができます。

その後、状況が変わったことや、改めて企業の魅力を再認識できたことを説明することで、企業側の理解を得やすくなるでしょう。
再検討を依頼する
最後に、もう一度選考の機会を設けてもらうよう、丁寧に依頼しましょう。
ただし、企業側が必ずしも再検討してくれるとは限らないことを理解しておく必要があります。
もし、再検討が難しいと言われた場合は、その決定を受け入れ、感謝の気持ちを伝えて電話やメールを切りましょう。
業界別 内定辞退取り消しの事例集
メーカー
A社
他社の選考結果を待っていたため、A社の内定を一度辞退。
その後、希望していた企業から内定を得られなかったため、A社に連絡したところ、辞退を撤回させてもらえた。
内定辞退後、1か月以上経ってから、やっぱりA社に行きたいと思い直して辞退を申し出た。
しかし、すでに配属部署も決まっており、受け入れ態勢も整っていたため、辞退の取り消しは認められなかった。
B社
家族の病気を理由に、地元で就職先を探すことになり、B社の内定を辞退。
しかし、その後、家族の病状が安定し、再び上京して働くことが可能になったため、B社に連絡。
熱意が伝わり、辞退を撤回してもらえた。
待遇面でより好条件の企業から内定を得たため、B社の内定を辞退。
その後、その企業の業績が悪化し、内定取り消しになってしまった。
B社に連絡を入れたが、すでに採用枠は埋まっており、辞退の取り消しはできなかった。
金融
A社
将来のキャリアプランについて深く考え直した結果、銀行よりもコンサルティング業界で働きたいという気持ちが強くなり、A社の内定を辞退。
しかし、その後、参加したインターンシップで、銀行の仕事内容に対する認識が変わり、改めてA社で働くことを希望するようになった。
人事部に連絡し、熱意を伝えた結果、辞退を撤回してもらえた。
特に明確な理由もなく、何となく他の会社で働きたいという気持ちになり、A社の内定を辞退。
その後、就職活動が難航し、A社に連絡を入れたが、すでに採用活動は終了しており、辞退の取り消しは認められなかった。
B社
企業文化への不安から、B社の内定を辞退。
しかし、その後、OB・OG訪問を通じて、不安に感じていた点は解消され、むしろ働きやすい環境だと感じられるようになった。
人事部に連絡し、正直な気持ちを伝えたところ、辞退を撤回してもらえた。
内定承諾後、競合他社から内定を得て、そちらへの入社を決めたため、B社の内定を辞退。
その後、競合他社の業績が悪化し、内定取り消しになってしまった。
B社に連絡を入れたが、すでに採用枠は埋まっており、辞退の取り消しはできなかった。
IT
A社
ベンチャー企業でスピード感のある仕事に挑戦したいと思い、A社の内定を辞退。
しかし、入社前にインターンシップに参加したところ、ベンチャー企業の労働環境の厳しさを目の当たりにし、改めてA社で働くことを希望するようになった。
人事部に連絡し、考えが甘かったことを謝罪した上で、熱意を伝えた結果、辞退を撤回してもらえた。
給与や待遇面で、外資系IT企業の方が魅力的だと感じ、A社の内定を辞退。
その後、外資系IT企業の選考に進むも、最終面接で不採用になってしまった。
A社に連絡を入れたが、すでに採用活動は終了しており、辞退の取り消しは認められなかった。
B社
親からの反対があり、B社の内定を辞退。
しかし、その後、自分の意志が固いこと、将来のキャリアプランについてしっかりと説明したことで、親を説得することができた。
B社に連絡し、状況を説明したところ、辞退を撤回してもらえた。
内定承諾後、他の企業の選考を受けており、途中からその会社で働きたいと思うようになりB社の内定を辞退。
その後、他の企業の選考で残念ながら不採用になってしまい、B社に謝罪を入れて辞退取り消しの旨伝えたが、信頼関係を損なったとして、辞退の取り消しは認められなかった。
内定辞退を取り消す際の注意点

一度辞退した内定を、企業側の好意によって取り消してもらうには、いくつか注意すべき点があります。
円滑なコミュニケーションと、誠実な対応を心がけましょう。
誠意を尽くす
内定辞退の取り消しを依頼する上で最も重要なのは誠意を尽くすことです。
企業側は、辞退によって採用計画の見直しや、他候補者への対応などで時間と労力を費やしていることを理解しておく必要があります。
そのため、お詫びの気持ちを言葉で伝えるだけでなく、なぜ辞退に至ったのか、なぜ再検討したいと考えるようになったのかを具体的に説明し、企業側の理解を得られるように努めましょう。
連絡は迅速に
内定辞退の取り消しを希望する場合は、できるだけ早く企業に連絡しましょう。
企業側は、辞退を受け入れた後、他の候補者への採用活動を進めている可能性があります。
時間が経てば経つほど、企業側の負担も大きくなり、取り消しが困難になる可能性があります。

迷っている時間がある場合は、まずは企業に連絡し、状況を説明するのが良いでしょう。
期待しすぎない
内定辞退の取り消しは、あくまでも企業側の判断に委ねられることを理解しておく必要があります。
一度辞退した以上、企業側には受け入れられない可能性も十分にあることを認識し、期待しすぎずに結果を待つことが大切です。
たとえ希望が叶わなかったとしても、誠意をもって対応することで、今後のキャリアにおいてプラスになることもあるでしょう。
企業とのコミュニケーションを大切にする
内定辞退を取り消す際には、企業とのコミュニケーションを密に取ることが重要です。
電話やメールだけでなく、可能であれば直接会って謝罪と再検討のお願いをすることが望ましいでしょう。
その際、以下の点を意識すると、より誠意が伝わりやすくなります。
- 身だしなみを整え、時間厳守で訪問する
- 相手の目を見て、はっきりと話す
- 質問には正直に、丁寧に答える
状況を整理し、文書に残す
内定辞退の経緯や、再検討に至るまでの自身の状況、企業への謝罪と再検討の依頼内容などを文書にまとめることも有効です。
口頭で伝えるだけでは、感情的に訴えてしまう可能性や、伝えたいことが漏れてしまう可能性があります。
文書にまとめることで、冷静に状況を整理できるだけでなく、企業側も状況を把握しやすくなるため、よりスムーズなコミュニケーションにつながります。

また、後々のトラブルを避けるためにも、やり取りの内容は記録として残しておくことが大切です。
転職エージェントを活用する
転職活動中に転職エージェントを利用している場合は、内定辞退の取り消しについても相談してみましょう。
転職エージェントは、企業との交渉や状況説明などを代行してくれるため、自身だけで対応するよりもスムーズに手続きを進めることができます。
また、客観的な立場からアドバイスをもらえるため、冷静な判断をする上でも役立ちます。
冷静さを保ち、前向きに
内定辞退を取り消すかどうかの決断は、人生における大きな選択の一つであり、不安や焦りを感じることもあるでしょう。
しかし、焦って行動するのではなく、まずは冷静に状況を整理し、本当にその企業で働きたいのか、自分のキャリアにとって最善の選択は何かをじっくり考えることが大切です。
最終的にどのような結果になったとしても、その経験を糧に、前向きに進んでいきましょう。
まとめ
内定辞退の取り消しは、企業側の事情や辞退理由、対応次第で成功する可能性があります。
重要なのは、企業への誠意ある謝罪と迅速な連絡です。
ただし、必ずしも希望通りになるとは限らないことを理解しておきましょう。