「内定辞退の連絡はメールだけで良い?」と悩んでいませんか?企業側の本音や、メールのみで済ませる際のリスク、最低限のマナーを踏まえた例文を紹介。状況別に例文を使い分けることで、円満に辞退を進めましょう。
内定辞退はメールだけで本当に大丈夫?企業側の本音とマナーを解説
この記事の目次
電話連絡が難しい場合でも、最低限のマナーは守る
内定辞退の連絡は、できれば直接会って伝えるか、電話で伝えるのがマナーとされています。これは、企業側が、あなたの人物像を直接的に感じ取ったり、辞退理由について直接説明を聞いたりすることで、あなたの誠意を感じ取ろうとするためです。また、直接のコミュニケーションを通して、円満な関係を保ちたいという意図もあります。
しかし、遠方に住んでいたり、仕事で多忙だったりするなど、どうしても直接会ったり電話したりすることが難しい場合もあるでしょう。このような場合は、メールで内定辞退の連絡をすることが許容されます。ただし、メールだけで済ませる場合でも、失礼な印象を与えないよう、最低限のマナーを守ることが重要です。
メールだけで済ませるリスクとは?
メールだけで内定を辞退する場合、企業側に失礼な印象を与えてしまうリスクがあります。電話連絡と比較して、メールは感情が伝わりにくいため、あなたの真意が十分に伝わらない可能性があります。そのため、企業側によっては、あなたのことを「誠意がない」「礼儀知らず」とネガティブに捉えてしまう可能性も否定できません。
また、メールでのやり取りは、誤解が生じやすいという側面も持ち合わせています。例えば、あなたの意図が正しく伝わらず、企業側との間に認識の齟齬が生じてしまう可能性も考えられます。このような事態を避けるためにも、メールだけで済ませるのではなく、可能な限り電話で連絡する方がベターと言えるでしょう。状況によっては、電話で連絡した後に、改めてメールで辞退の旨を伝えるという方法も有効です。
内定辞退は、企業側にとって、採用計画の見直しや新たな候補者の選考など、手間と時間のかかる作業を伴うことになります。そのため、企業側としては、できる限り早く、そして誠意を持って対応してくれることを期待しています。企業側の心情を理解した上で、状況に応じて適切な対応を心がけましょう。
連絡手段 | メリット | デメリット |
---|---|---|
電話 | 誠意が伝わりやすい 誤解が生じにくい その場で質問に答えられる | 時間や場所の制約を受ける 緊張しやすい |
メール | 時間や場所を選ばない 自分のペースで文章を作成できる 記録が残る | 誠意が伝わりにくい 誤解が生じやすい 返信に時間がかかる場合がある |
上記を参考に、状況に応じて最適な連絡手段を選択しましょう。ただし、企業によっては、電話連絡を必須としている場合や、逆にメールでの連絡を推奨している場合もあるため、事前に企業側の意向を確認しておくことが重要です。企業側の意向を尊重し、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。
参考資料:
内定辞退メールを送る際の3つのポイント
返信期限を考慮し、できるだけ早く伝える
内定辞退の連絡は、企業側が選考を進められるよう、できるだけ早く伝えることが重要です。企業によっては、内定承諾書の提出期限が設定されている場合もあります。期限が迫っている場合はもちろん、そうでなくても、内定を辞退する意思が固まった段階で、すぐに連絡しましょう。遅くとも、内定通知を受け取ってから2週間以内には連絡するのが一般的です。
企業によっては、入社前に研修や説明会などを実施している場合があります。辞退の連絡が遅れると、企業側はこれらの準備や調整に無駄が生じてしまい、迷惑をかけることになります。また、企業側の印象が悪くなってしまう可能性もあります。企業側の損失を最小限に抑えるためにも、迅速な連絡を心がけましょう。
辞退理由は正直である必要はないが、簡潔で分かりやすく
内定辞退の理由については、正直に伝える必要はありません。特に、企業側のネガティブな要素を理由にする場合は、伝え方によっては誤解を招いたり、企業側の心証を害したりする可能性があります。辞退理由は、簡潔で分かりやすく、相手が納得しやすい内容であることが重要です。
例えば、「他に志望度の高い企業から内定をいただいたため」「自身のキャリアプランを見直した結果、今回の仕事内容では実現が難しいと判断したため」など、具体的に伝えるようにしましょう。ただし、嘘や言い訳は避け、あくまで社会人としてのマナーを守った表現を心がけましょう。
謝罪と感謝の気持ちを忘れずに伝える
内定辞退は、企業側にとって大変残念なことです。そのため、謝罪と感謝の気持ちを伝えることは非常に重要です。お詫びの言葉とともに、選考の機会をいただいたことや、企業の担当者の方とやり取りをさせていただいたことへの感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。
感謝の気持ちを伝える際には、具体的にどのような点に感謝しているのかを伝えるようにすると、より誠意が伝わります。例えば、「選考の過程で貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました」「面接では、〇〇様から温かいお言葉を頂戴し、大変感激いたしました」など、具体的なエピソードを交えながら感謝の気持ちを表現しましょう。
また、企業の今後の発展を願う言葉を加えることも良い印象を与えます。例えば、「貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます」といった一言を加えることで、最後まで誠意ある対応を心がけましょう。
【例文付き】状況別に使い分けよう!失礼のない内定辞退メール
せっかく頂いた内定を辞退するのは心苦しいものですが、社会人としてのマナーを守り、失礼のない丁寧な連絡を心がけましょう。状況に合わせた例文を参考に、自身の言葉で誠意を伝えてください。
第一志望の企業から内定を得た場合
第一志望の企業から内定を得て、これまで選考を受けてきた企業に内定を辞退する場合は、喜びの報告と共に、感謝の気持ちを丁寧に伝えることが重要です。
例文1:企業に合わせた丁寧な言い回し
件名:【〇〇株式会社】内定辞退のお知らせ
〇〇様
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。この度は、貴社より内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。 選考過程においては、大変温かく丁寧なご対応を賜り、心より感謝申し上げます。 また、貴社について、より深く理解する貴重な機会をいただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。
熟慮を重ねた結果、大変ありがたいお話ではございましたが、この度、以前より志望しておりました〇〇業界の企業から内定をいただき、そちらでお世話になることを決意いたしました。
貴社ならびに関係者の皆様におかれましては、今後の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
氏名
例文2:シンプルで分かりやすい言い回し
件名:【〇〇株式会社】内定辞退のお知らせ
〇〇様
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。この度は、貴社より内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
熟慮の末、大変ありがたいお話ではございましたが、この度、別企業に就職することを決意いたしましたので、内定を辞退させていただきます。
選考期間中は、何かとお世話になり、誠にありがとうございました。 貴社ならびに関係者の皆様におかれましては、今後の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
氏名
上記はあくまで例文です。企業の社風や担当者とのやり取りを踏まえ、自分自身の言葉で誠意を込めて伝えましょう。例えば、企業説明会や面接で印象に残っていることや、選考を通して得られた学びなどを具体的に盛り込むと、より一層気持ちが伝わるでしょう。
引用元:【例文あり】内定辞退の伝え方とは?電話・メールのマナーや注意点 - PERSOL CAREER
他に選考が進んでいる企業がある場合
他に選考が進んでいる企業があり、まだ最終的な決断ができていない場合でも、正直にその旨を伝えた上で、内定辞退の意向を伝えましょう。ただし、企業名は具体的に挙げずに、「他社の選考状況を踏まえ」など、抽象的な表現にとどめるようにしましょう。
例文
件名:【〇〇株式会社】内定辞退のお願い
〇〇様
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。この度は、貴社より内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。 選考過程においては、大変温かく丁寧なご対応を賜り、心より感謝申し上げます。 また、貴社について、より深く理解する貴重な機会をいただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。
大変恐縮ではございますが、現在、他社の選考も進行しており、今しばらく熟考させていただきたく存じます。 つきましては、誠に勝手ながら、大変ありがたいお話ではございますが、今回は貴社からの内定を辞退させていただきたく存じます。
このようなご決断となり、誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解いただけますと幸いです。 貴社ならびに関係者の皆様におかれましては、今後の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
氏名
選考が長期化する可能性がある場合は、いつ頃までに回答するかを明確に伝え、企業側に配慮を示すことが大切です。また、辞退の意向が固まっている場合は、その旨をはっきりと伝え、無駄な期待をさせないようにしましょう。
引用元:【例文あり】内定辞退のメールの書き方! 電話で伝えるべき? - doda
就職活動自体を辞退する場合
就職活動自体を辞退する場合は、内定辞退の理由を具体的に伝える必要はありません。一身上の都合や今後のキャリアプランなどを簡潔に伝えるようにしましょう。ただし、嘘や不誠実な理由は避け、正直に伝えることが大切です。
例文
件名:【〇〇株式会社】内定辞退のお知らせ
〇〇様
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。この度は、貴社より内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
熟慮いたしました結果、大変ありがたいお話ではございますが、今回は内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。 選考過程では、一方ならぬご配慮を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。
このようなご報告となり、誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解いただけますと幸いです。 貴社ならびに関係者の皆様におかれましては、今後の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
氏名
内定辞退の理由によっては、企業側から慰留される可能性もあります。その場合でも、自分の意思を尊重し、丁寧かつ毅然とした態度で辞退の意向を伝えましょう。また、感謝の気持ちを忘れずに伝えることが大切です。
引用元:【例文付き】内定辞退のメールはどう書く? 電話は必要? - マイナビエージェント
内定辞退メールを送る際の注意点
内定辞退のメールを送る際には、以下の点に注意しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
件名 | 企業名と「内定辞退」の言葉を必ず入れる |
宛名 | 担当者の氏名を入れる。会社説明会や面接で名刺をいただいている場合は、そちらを確認する |
本文 | 頭語・結語を用いたビジネスメール形式で作成する |
誤送信防止 | 送信前に宛先、本文に誤りがないか、今一度確認する |
これらの点を踏まえ、誠意ある対応を心がけましょう。内定辞退は社会人としての第一歩です。相手への感謝の気持ちを忘れずに、丁寧な対応を心がけましょう。
内定辞退のメールを送った後にすること
内定辞退のメールを送信したら、それで終わりではありません。その後の対応も社会人としてのマナーです。失礼な印象を与えないよう、最後まで丁寧に対応しましょう。
返信は必ず確認する
企業から返信があった場合、必ず確認しましょう。感謝の言葉や今後の活躍を期待する言葉などが書かれていることがほとんどです。中には、辞退の理由を改めて聞きたい、よりよい条件を提示したいなど、企業側から連絡が来る場合もあります。企業からの返信に対しては、24時間以内に返信するのがマナーです。
電話がかかってきたら、誠実に対応する
メールを送信した後、企業から電話がかかってくることがあります。その場合は、動揺せずに落ち着いて対応しましょう。
- 電話の内容 電話の内容は、辞退理由の詳細を確認するためや、引き止めのための条件提示であることが多いです。また、入社手続きに関する確認や、今後の選考に関する連絡など、事務的な内容である場合もあります。
- 対応の仕方 電話に出たら、まずは相手の言葉に耳を傾け、冷静かつ丁寧な口調で対応しましょう。辞退の意思は、メールで伝えた内容と変わらず、あくまでも丁重にお伝えすることが大切です。もし引き止められたとしても、自分の意思が揺らがないように、事前に辞退の理由を明確にしておきましょう。ただし、企業からの質問には、嘘や失礼な言葉は避け、正直に答えるように心がけましょう。もし電話の内容が不安な場合は、メモを取りながら対応すると、後から内容を確認することができます。
内定承諾後の辞退は、お詫びの連絡を検討する
もし内定を承諾した後で辞退する場合は、電話で直接お詫びを伝えるのがマナーです。その際、誠心誠意謝罪の気持ちを伝えると同時に、会社側に迷惑をかけてしまったことを深くお詫びしましょう。ただし、電話をかける時間帯には配慮が必要です。業務時間外や早朝深夜は避け、一般的なビジネスアワーに電話するようにしましょう。可能な場合は、担当者の不在時を避けるなどの配慮も必要です。
内定辞退は、企業にとっても、あなたにとっても、決して嬉しい出来事ではありません。しかし、社会人として、誠実で丁寧な対応を心がけることが、その後の人間関係を良好に保つために重要です。
企業との良好な関係を保つために
内定辞退後も、企業との関係が完全に断たれるわけではありません。就職活動中や、社会人になってからも、再び接点を持つ可能性もあります。円滑なコミュニケーションを維持するためにも、誠実で丁寧な対応を心がけましょう。
状況 | 対応 |
---|---|
返信メールが届いた場合 | 24時間以内に返信する |
電話がかかってきた場合 | 落ち着いて、丁寧に受け答えする。事前に辞退理由を明確にしておく。 |
内定承諾後に辞退する場合 | 電話で直接謝罪する。業務時間内に連絡する。 |
内定辞退は、社会人としての第一歩です。マナーを守り、誠実に対応することで、企業に好印象を与え、今後の社会人生活をスムーズにスタートさせることができます。
参考資料:就職活動の「内定辞退」のマナー|電話?メール?例文を紹介!【キャリタス就活2024】
まとめ
内定辞退は、メールだけで済ませるのではなく、できる限り電話で伝えるのがマナーです。ただし、やむを得ずメールで連絡する場合でも、今回ご紹介したポイントを踏まえ、誠意ある対応を心がけましょう。